MEDDEVの改定・追加について
2012年1月10日にEuropeanMedical Device Expert Group (MDEG)がブリュッセルで招集されました。その結果、欧州委員会が発行するガイダンスMEDDEVが3件改定され、2件の追加があり、必要条件とクラス分類に関するガイダンスが1件導入されました。2012年1月17日の時点において、欧州委員会のウェブサイトではまだ一部の決定事項しか発表されておりません。
Emergo Europeでは今後の委員会の発表を注視し、新しい発表があり次第この電子ジャーナルで報告していきます。
MEDDEV2.12.1, Rev. 7 – 医療機器のビジランスシステムについてのガイドライン文書
MEDDEV 2.12.1の第7次改定で最も注目された点は、付属書6及び7におけるPeriodic Summary Reporting(PSR) (定期要約報告)のとTrend Reporting(トレンド報告書)の報告様式が各々改定されたことです。また FSCA reports (Field Safety Corrective Action Report: 市場安全是正処置報告書) のテンプレートがXMLフォーマットで対応出来るようになります(Incident Report事故報告書フォームも同様)。今後、PSRやTrend Reportingフォーマットにも適用されると予想されます。また誤使用についても重要視しており、事故の判断基準を考慮し、付属書1ではFSCAの事例が追加され、付属書11ではビジランスにおいてユーザにどう関与するか述べられています。
EU加盟候補国としてのトルコの現状を認識するため、欧州経済領域(EEA)やスイスに続いて、トルコについての記述が加えられています。
その他多くの改定事項がありますが、例として「直接患者に作用しない機器」へのIVDの概念の拡大、体外受精、生殖補助医療機器(IVF/ART)などがあります。IVF/ARTの使用に関してはこのことに関する新しいガイダンスと符合しています。
もうひとつの重要な改定事項として、委員会(Commission)と併せて規制当局報告書(National Competent Authority Report:NCAR)の情報交換のため、規制当局間の欧州医療機器データベース(EUDAMED)の強制的な導入があります。
MEDDEV2.12.2, Rev. 2 – 市販後臨床フォローアップスタディ
EU指令2007/47/ECの改定版において改定されているように、市販後臨床フォローアップ(PMCF)がMEDDEV 2.12.2対象となっています今回の改定は、医療機器を長期間使用しないと明らかにならない付加リスクをモニタリングするということにあります。改定版では、PMCFをいつ適用するのか、その一般的原則、スタディデータの使用、また進行中の適合評価手続きの際のPMCFの役割など、詳細なガイダンスとなっています。
MEDDEV 2.14.1,Rev. 2 – IVD 医療機器ボーダーラインとクラス分類
MEDDEV 2.14.1 の第2次改定はIVDの要件とクラス分類といった2つのパートに渡っており(8ページから21 ページへ)、医療機器クラス分類のガイダンス(MEDDEV 2.4.1,Rev. 9)により近いものとなりました。以下の事項について多くの要件が提示されています: 検体容器、検体採取製品、一般ラボ用製品、IVDキット、微生物培地、染色、体外診断目的以外の侵襲性医療機器などです。特に注目される点としては、取扱説明書に「体外診断用」と書かれているためIVDとはみなされない一般ラボで使用される製品についての考察です。後段のクラス分類に関する項では、98/79/ECの付属書 IIのリストAとリストBにおける幾つかのIVDについて述べています。
MEDDEV 2.5.10,Rev. 1 - 欧州代理人に関するガイダンス
欧州代理人についての新しいMEDDEV、「欧州代理人に関するガイダンス」がまとまりました。この文書は欧州代理人の役割、責任に関して明確にすることを目的としています。このガイダンスでは欧州代理人としての力量の重要性について強調しています。またEU加盟国が期待する欧州代理人の役割について規定しています。このガイドラインでは、製造業者と欧州代理人が文書での契約を確立することの重要性について強調しています。例えばEmergo Europeが製造業者との間で取り決めている欧州代理人契約書のように、契約書では製造業者が欧州代理人に委任する業務について明記すべきであるということです。
MEDDEV 2.5.10 では、製造業者はEUで上市する機器に関してあらゆる情報を欧州代理人に対して伝えなくてはならないと強調しています。同様に、欧州代理人も、製造業者に対して機器に関する最新情報を常に伝えることを求めています。さらにこれはEU加盟国が欧州代理人に問い合わせればその機器に関して求めている情報が得られることを想定しています。そのためにも、製造業者は関連文書や情報を欧州代理人に対していつでも利用できるよう準備する義務があります。
MEDDEV 2.2.4 ‐ IVF/ART 製品の適合評価に関するガイドライン
MEDDEV 2.2.4 では、Directive93/42/EECにおけるで取り上げられているIn vitro Fertilisation(IVF:体外受精)/AssistedReproduction Technologies(ART:生殖補助医療)機器の市販後臨床フォローアップ (PMCF)、トレーサビリティ、ビジランスの重要性について強調しています。体外受精/生殖補助医療製品の持続的影響により、機器が使用されたずっと後に事故が発覚するかもしれません。この新しいMEDDEVでは特に体外受精/生殖補助医療機器特有のハザード、リスクについて詳しく述べています。
単体で医療機器となるソフトウェアの要件とクラス分類に関するガイドライン
単体で医療機器となるソフトウェアののクラス分類ルールのアウトラインを明記した文書が出されました。単体で医療機器となるソフトウェアについては、93/42/EEC では能動型医療機器として、また98/79/ECでは体外診断用機器として分類されます。この文書ではこれらのタイプの機器のクラス分類の手助けとなる決定図と判断基準を示しています。
注
他のEUで進行中の事項はEU委員会が最近発表した2012年会議のアジェンダに含まれています。2月6日と13日に特別MDEG会議「医療機器規制の改正」と銘打って予定されているように、2012年の医療機器規制改正のドラフトに関するEUの取り組みにも注目して下さい。最後にEN ISO14155:2011規格がEuropean Norm harmonized standardとしてまもなく欧州官報に掲載されます。
Evangeline Loh, PhD, RAC
EMERGO GROUP | Vice President of Global Regulatory Affairs
